| sugitaru • PM |
Dec 30, 2013 11:06 PM
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sugitaru
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昔、朝廷では毎年七月に相撲の節会が催された。日本全国から、代表的な力士を召された。昔の角力は、打つ蹴る投げるといったように、ほとんど格闘に近い乱暴なものであった。武内宿彌と当麻のくえはやとの勝負に近いものだ。
だから、国々から選ばれる力士も、その国で無双の強者だったのである。 ある時、越前の佐伯氏長が、その国の選手として相撲の節会に召されることになった。途中近江の国高島郡石橋を通っていると、川の水を汲んだ桶を頭にいただいて帰ってくる女がいた。 田舎に珍しい色白の美人である。氏長は、心がうごいて馬から降りると、その女が桶をささえている左の手をとった。すると、女はニッコリ笑って、それを嫌がりもしないので、いよいよ情を覚えてその手をしっかとにぎると、女は左の手をはずして、右の手で桶をささえると、左の手で氏長の手をわきにはさんだ。氏長はいよいよ悦に入って、いっしょに歩いたが、しばらくして手を一度ぬこうとしたが、放さない。 葛飾区 金町 塾 |