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Forum Home > General Discussion > 去つて「新葉末集」を読め
sugitaruPM
#1
去つて「新葉末集」を読め
Jul 16, 2014 11:23 PM
sugitaru Founder - Joined: Jul 28, 2013
Posts: 186
 去つて「新葉末集」を読め。「風流仏」、「一口剣」等に幽妙なる小天地想を嘔ひ、一種奇気抜く可らざる哲理を含みたる露伴の詩骨は徒らに「心機霊活の妖物」なる道也の影に痩せさらばひぬ。道也は実に一妖物なり、奇物なり、露伴にあらずんば誰か能く斯般の妖物奇物を擒にせん。平凡無癖を以て愚物なりとし、一癖あるにあらざれば談ずるに足らずとする露伴に道也あるは、無理ならぬ事なり。蓋し理想詩人の性として必らず人生を其或る一面相より観察する者なる故に、道也が「奇男児」を作りたる詩人の懐裡に宿りたるは無理ならぬ事なり。然れども道也は理想上の人物として、佐太夫と共に心機霊活の妖物として、遊廓内の豪傑として、粋の粋として、遂に佐太夫程に妙ならず、理想家としての露伴が写実家なる紅葉のこの種の理想に於て少しく席を譲りたるを惜しむ。然れども元よりこの種の理想に於て優劣を較するの愚を、われ学ぶ者ならず、若し夫れ明治の想実両大家が遊廓内の理想上の豪傑を画くに汲々し、我が文学をして再び元禄の昔に返らしむる事あらば、吾人の遺憾いかばかりぞや。被リンク