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過ぎたるは猶及ばざるが如し 1 MEMBER:
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Forum Home > General Discussion > 女が、化粧をすまして
sugitaruPM
#1
女が、化粧をすまして
Feb 03, 2014 2:06 AM
sugitaru Founder - Joined: Jul 28, 2013
Posts: 186
女が、化粧をすまして、階段を降りて来る。



男  食事にするかい。
女  えゝ、あなたは?
男  何時でもいゝよ。


男、起ち上つて、歩き出す。
二人の姿が消える。
入れ違ひに、若い男が二階から降りて来る。京野精一(二十一)である。



るい  ピンポンのお相手をいたしませうか。
京野  今日は疲れた。また歩き過ぎたよ。(椅子にかける)
るい  そんなにお弱いやうには見えませんがねえ。でも、御無理を遊ばしちやいけませんよ。折角御養生にいらしてるんですから……。
京野  家庭教師みたいなことを云ふなよ。
るい  あら、ほんとに今日は、不思議な日ですわ。
京野  どうしてだい?
るい  みなさんで、あたくしの前身をおあてになるんですもの。
京野  君の前身なんか僕にや興味はないよ。家庭教師だつて、ホテルのハウス・キイパアだつて、大した変りはないだらう。
るい  お煙草でございますか。取つて参りませう。
京野  いゝよ、いゝよ。バアは開いてるだらうな。


起つて、右手にはひる。
長い間。
やがて、また、二階から、三十八九の、和服に現代風の好みをみせた女が、気取つた足取りで降りて来る。土屋園子夫人である。

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