| sugitaru • PM |
Apr 29, 2014 8:50 AM
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sugitaru
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ところが、この性格は、前にも述べたとほり、幼少時から身につけた習性が募りつのつたすがたであり、「自己を中心とする世界」以外に心の棲家をもたなかつたものの宿命的な成長ぶりである。しばしば、それは、立身出世の夢と結びつき、さらに、失意の連続による自卑ともつながり、いづれにせよ、知らず識らず、「自己を中心とする世界」が殻のやうにその全生活をつつみ、精神のあらゆる襞にまつはり、言動のいつさいを支配してゐるのである。
* 精神のはたらきが既に絶えず「自己中心の世界」を形づくるやうな習性をもつてゐるのであるから、そこには、また、つねに観念の固定、あるひは凝結といふ特殊な傾向が生じる。つまり、頭脳活動の局部への偏しかたが甚だしいといふ現象である。云ひかへれば、あることを一途に思ひつめると、そのことに関連のあるすべての点に眼が届かなくなるといふ状態である。 かういふ精神のはたらき方は、元来小児特有のものであることも注意すべきである。しかも、それが、大人の場合は、より一層柔軟性のない、容易にほぐれ難い性質を帯びる。従つて、それは、抜くべからざる先入観の基礎となり、「知つてゐることしか解らぬ」俗見の源をつくる。視野の狭さ、見解の狭さとは、知識の乏しさを云ふのではなく、思念の框のみすぼらしい限界をいふのである。 大山駅ハッピーロード内の美容院 |