| sugitaru • PM |
Apr 29, 2014 8:51 AM
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sugitaru
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謂はゆる「ヒューマニスト」とは、人間探究の道を倦まず歩むもののことである。すなはち、人間の全貌を「在るがまゝ」に見、そして、その「在るべきすがた」をも捉へることが、ヒューマニストの到達点である。この努力の結果は自己中心の世界からは決して生れないある種の精神の作業を必要とする。
* 人間尊重の気風を阻み、萎靡させる原因の一つは、個々に通じる「自我」と一個の歪められた「自己」との混同にある。 己れをもつて他を律するものは、真の「自我」を永久に見失ふ。 「自我」の発見に先立つものは、云ふまでもなく「自己」を「自己中心の世界」から解放することである。 * どんな世界でも「自己中心の世界」を透してでなければ見えないといふ心理状態は、精神のはたらきといふ面からみて、人間と人間との協力を最も妨げる精神の在り方である。それは、悪意なく他人の邪魔をし、心ならずも孤独となることである。 * あなたはあなたの悲しみによつてわたしを悲しませ、あなたの悲しみは、それによつて半分になるとおつしやるが、わたしは、わたしの幸福によつてあなたを幸福にし、それによつてわたしは自分の幸福を二倍にしたいと希つてゐる。 しかし、わたしは、あなたの悲しみを半ば分ちもつことで、もうすでに、自分の幸福が二倍になつたやうに感じる。 あゝ、わたしの幸福は、かうして、間もなく四倍になり十六倍になるだらう。 浅草の美容室 |