| sugitaru • PM |
May 05, 2014 5:01 AM
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sugitaru
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速水女塾の塾長室。正面は廊下に、左手は校庭に面した広い部屋。
右手、プロセニウムに近く、書棚を背にして塾長用のデスク。その奥に帽子掛兼用の衝立。教職員の名札が序列の順にかかつてゐる。 衝立の向ふは事務室に通じるドア。 中央左手寄りに大きなテーブル。その周囲には同型の椅子が並んでゐる。 参考品の陳列棚、優勝旗、カップなど。 左手正面奥に、廊下に通じるドア。 横額の一つは「玉不磨則無光 為速水桃子女史 駿堂書」といふ類ひのもの。 三月中旬の午後四時頃。風が強く、左手の窓から西日が射し込んでゐる。 放課後の静けさ。 一人の女生徒が正面のドアをそつと開けて室内をひとわたり眺めまはす。やがて、ためらひながらはいつて来て、テーブルの下や、陳列棚の奥などをのぞいて歩く。 平栗高民がその間に事務室の方からはいつて来て、この様子をぢつとみてゐる。 平栗 なにをしとるんだ、いつたい? 女生徒A (驚いて立ちすくむ) 平栗 塾長先生のお部屋へなんぞ黙つてはいつて来て、なにをする気だ、おまへは? 女生徒A (もぢもぢして、答へない) 平栗 図々しいにもほどがある。早く出て行きなさい。 女生徒A、急に泣き出しながら出て行く。 木原基が事務室の方からはいつて来る。 SEO対策無双 |