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Forum Home > General Discussion > 別項島尾正一君の報告によれば
sugitaruPM
#1
別項島尾正一君の報告によれば
Jun 04, 2014 8:19 AM
sugitaru Founder - Joined: Jul 28, 2013
Posts: 186
別項島尾正一君の報告によれば、越中氷見のトウナイと称する部落民の如きは、今以て産婆の仕事を実行しているそうである。彼らははばまたははばさと呼ばれて、産婦の宅に聘せられ、あらゆる面倒を見ているのである。また出雲の三保では、ハチヤ部落へ行って産をする習慣があったという。これらはけだし産所の遺風が遺っているのではあるまいか


 産所がもとの産小屋の地に住んだままで、一種の特殊民になっていたもののほかに、彼らが東寺の散所法師の如く、一旦掃除人足となって、汚物の取片付けなどに任じた結果から、所謂キヨメの徒として、エタ仲間になったことのあるべきは、既に「エタと掃除」の章に於いて述べておいた。ただしその遊芸人となり、特に操芝居の人形舞わしなどとなったものの如きは、もとは同じ流れであってもエタにはならず、久しく非人扱いを受けていたが、それらはつとに解放されて、もはや今日では何人もこれを嫌がるものはない。質朴な農民等は、田植休みや秋祭の際に、氏神の社頭で人形芝居を豊楽に興行し、自ら彼らの仲間となって、人形を舞わしてあえて不思議としないのである。
 なおサンジョについては、別の考えも持っているが、それは「産所考」の説明に譲っておく。
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Last edited by: sugitaru Jun 10, 2014 11:24 PM