| sugitaru • PM |
Jun 14, 2014 8:22 AM
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sugitaru
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かくて全く偶発の疾病災禍の場合にでも、しばしば原因をここに求める。その結果としてその伝統が暗示を得た精神病的被害者は、ここにとんでもない挙動を現わしたり、思いもよらぬことを口走ったりするものであるから、これを見た単純な頭の人々は、わけもなくただちにそれに極めてしまうのである。かくてその人が仮に「物持」であると認められた以上、その系統のものに対しては皆一様に警戒せねばならぬ事となる。ここにおいてか物持筋すなわち憑き物系統を恐るるの観念は、遂に世人の頭に染みついて容易に除去し難いこととなるのである。
人に使役せられる霊物にも、生あるものとないものとの区別がある。昔は多くは或る呪詛を施した動物の頭蓋骨や、時としては所謂外法頭の人の頭蓋骨を秘蔵して、それに祈って第三者に災いを与えるという思想の方が多かったものの様である。或いは一種の護符の類、その他守護神として肌身離さず所有する木偶・土偶の類に祈って、所謂禁厭咒詛の法によって、第三者に禍いを与えうるものだと信ぜられた場合が多かったのである。しかしそれはその霊物とその禁厭咒詛の術を伝えられたもののみに、その効能が継承されるのであって、その伝えを失った場合には、その憑き物は通例消滅してしまうべき筈である。医学部の予備校ブログ |