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過ぎたるは猶及ばざるが如し 1 MEMBER:
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Forum Home > General Discussion > 博士がかく疑わるるは
sugitaruPM
#1
博士がかく疑わるるは
Jun 19, 2014 9:09 AM
sugitaru Founder - Joined: Jul 28, 2013
Posts: 186
博士がかく疑わるるは、現代のアイヌ語にもっぱらエムスを刀の義に用うれども、これをヨーロッパの類例に徴するに、古えデーガン等の語は青年・豪傑・郎党を意味せしに、現代ドイツ語にてはデーゲンを軍人等が佩用する剣の義に用うるに過ぎざるより類推して、もしエムシ・エムスなるアイヌ語が古代にも存せしならば、その元義は勇士・武人の意なりしならんかと推測せられたるもののごとし。しかもこれ一の仮定説を学界に提供せられたるに過ぎざるなり。
 しかるに菊池氏は、百歩をこれに進めて、一躍ただちに「アイヌ語のエムシは今太刀・刀の意なれども、もともと勇敢なる武士・郎党より転化したるものなり」と断言せらる。氏はここに博士の説に基づけることを言わず。したがって氏の説は博士とは独立に研究せられたるものと見るべく、博士の仮定説は氏によりて偶然完成せられたるものと解すべきものなり。しかも余輩は、いまだアイヌの古語に、エムシなる語が果して存せしや否やを知らず。またよしや存したりとするも、これが勇敢なる武士・郎等を意味せしものなることを知るを得ざるがゆえに(博士もエムシなる語の古えに存せしことを断言せられざるなり)、しばらく論説発表の時期の前後よりして、菊池氏の説は博士の所説に基づけるものと解すべく、しかも氏はこれを誤解し、自説として発表せられしにはあらずやとの疑いを禁ずる能わざるなり。もし果してしからんには、氏のために深くこれを遺憾とせざるを得ず。京王の橋本 整体